守るべきネチケット16選!一般利用者向けと子供向けに分けてご紹介

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ネチケットとは

ネット利用する人のイメージ

ネチケットは、インターネット上でのマナーやルールを指す言葉で、インターネットとエチケットを組み合わせて作られた造語です。ネチケットは、「ネットマナー」や「インターネットルール」と呼ばれることもあります。

この言葉には、インターネットを通して他者とコミュニケーションを行う際や、SNSやWebサイトを通じた情報取得・情報発信を行う際などに参考にしたい教えが詰まっています。

また、ネチケットは、どこかの機関や国などによって厳密に定められているものではなく、法的な拘束力を持つものでもありません。しかし、インターネットを利用する上で、意識したり守るべき大事なことなので、インターネットに依存した生活を送る私たちが身につけておくべき規範と言えるでしょう。

ここからは、参考にしたいネチケットについて、「一般的なネット利用者向け」と「子どものネット利用者向け」に分けて、それぞれ推奨事項を紹介していきます。

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【一般的なネット利用者向け】守るべきネチケット11選

ネチケットに配慮する人のイメージ

インターネットを利用する上で、意識したり守りたいネチケットの○○の教えについて紹介していきます。

ネット利用する際に余計なトラブルなどを招かないための重要なことなので、ぜひ参考にしてみて下さい!

①現実世界と同じようにマナーを守る意識を忘れない

まず、ネット上で他者とコミュニケーションを取る際に忘れてはいけないことは、ネット上でも現実でもコミュニケーションの基本は同じだということです。攻撃的な言い回しをすれば、相手は現実と同じで不快な思いをするでしょうし、行き過ぎれば誹謗中傷で訴えられることも考えられます。

「画面の向こうにも人がいる」ことを忘れずに、匿名性を盾にして誹謗中傷をしたり、他者への思いやりのない言動は控えましょう。

現実世界では他人に対してしないような振る舞いを、

ネットだからしてもいいということはありません。

②テキストコミュニケーションは相手にどう伝わるかを考える

新型コロナウィルスなどの影響でリモートワークが急速に進み、テキストを使ったコミュニケーションを取る機会が増えました。しかし、テキストでのコミュニケーションは感情が伝わりづらく、冷たい印象を与えがちです。

私たちが普段、表情や話す時の言葉の調子などから汲み取っている微妙なニュアンスは、テキストコミュニケーションでは上手く伝えることが難しいものではありますが、相手に冷たい印象を与えない意識は持つようにしましょう。

下記はテキストコミュニケーションを行う際のコツです。

  • 相手に伝えたいことが伝わるように、短すぎず長すぎない文量を心がける
  • 確認したことを相手に伝えるために、返信やリアクションを素早く積極的に行う
  • きつく受け取られない様に、やわらかい言い回しを心がける
  • 緊急性・重要度の高い連絡は、Web会議や電話、対面の会話などを状況に合わせて使い分ける
  • 誤解を生まない様に、曖昧な表現は避ける

テキストでのコミュニケーションだと、ヒートアップしてしまう人もいますよね!

③ログイン情報・認証情報の管理

多くのITシステムを活用する我々にとって、アカウント認証はつきものです。会社で使用する場合でも、認証に使用されるパスワードの管理が、アカウントを使用する個人に委ねられられているというケースも多いのではないでしょうか?

この時、管理すべきアカウントが多いから・楽だからといって、複数のシステムで同一のパスワードを使い回すような行為は、ありがちなセキュリティリスクです。辞書攻撃」や「リスト型攻撃」といったサイバー攻撃の対象にされる可能性がありますので、パスワードの使いまわしには注意しましょう。

国内の病院がサイバー攻撃の被害に遭った事例で、パスワードの使いまわしや規則性のあるIDを使用していたことで、サイバー攻撃の被害拡大の原因に繋がった事例などもあります。(大阪急性期・総合医療センター 情報セキュリティインシデント調査報告書

辞書攻撃とは

サイバー攻撃者が、ログイン認証を突破するために用いるサイバー攻撃の手法です。辞書に載っている単語や人物名、数字などの組み合わせをパスワードに使用して、システムなどへの不正ログインを試みます。

リスト型攻撃とは

情報漏洩などから入手した既存の認証情報(ID、パスワード)を用いて、他のサービスに不正ログインを試みるサイバー攻撃の手法です。ログインに成功する確率が極めて高いことで知られたおり、基本的にはユーザーが同じ認証情報を使い回していることが原因です。

④公開情報は誰が見ているか分からないことを認識する

インターネットを利用する上で、ネットに書き込んだことなどの公開情報は、誰に見られているか分からないということを忘れてはいけません。場合によっては、ネットストーカーやサイバー攻撃者の情報源にされることも考えられます。

また、一度書き込んだことは、基本的にインターネットに残り続けるものです。メッセージを後から消したとしても、スクリーンショットを撮られている可能性もあります。

インターネットに情報を公開する際は、一度慎重になって「個人情報を特定されるようなものではないか?」「何らかの法に触れる行為に該当していないか?」など自問するようにしましょう。

バイトテロなどが一時期流行りましたが、彼らはあくまでも「仲間内」でやっている認識で、不特定多数に見られている意識はないように見えました。

下記は、オープンになっているソース(情報源)から情報収集して活用する手法である「OSINT」の基礎知識が理解できる記事です。サイバーセキュリティを担当する技術者やサイバー攻撃者が使用する手法で、面白い記事になっていますので是非チェックしてみて下さい!

⑤サービス利用時の情報の取り扱いに注意する

何らかのサービスを利用する際には、情報の取り扱いには注意する必要があります。

最近ですと、Slackが顧客データ(メッセージや画像など)を明示的な許可を得ることなく、AI学習トレーニングに使用していたことなどが明らかになりました。これは何も特別なことではなく、サービスを提供している会社は営利目的なので、情報がこういった形で利用されることはままあることです。

以上のことを念頭に置きながら、サービス利用時の機密情報や個人情報の取り扱いには注意するようにしましょう。

情報には様々な使い道があります…取り扱いにはご用心を!

⑥フェイクニュースを拡散しない

インターネット上に散在する情報は、正確なものだけでなく、虚偽の情報や誤解を招く内容が含まれているものです。これらのフェイクニュースは、誤った情報を広め、人々の不安を煽り、社会に混乱をもたらす可能性があります。情報の真偽を精査し、これらのフェイクニュースの拡散に加担しないようにしましょう。

また、感情的に反応しやすい情報には、特に注意が必要です。驚くようなニュースや感情を揺さぶる情報を目にしたときは、一度冷静になって情報の真偽を確かめる習慣を身につけましょう。感情に任せて情報を共有することは、フェイクニュースの拡散を助長する可能性があります。

フェイクニュースを拡散しないことは、インターネットを利用する上での基本的なマナーです。正確な情報を選び、冷静な判断と責任を持って情報を共有することを心がけましょう。

災害時などに、悪意を持って誤情報を流すような人もいるので、これらの誤情報の拡散に加担しないように注意しましょう

⑦ネット詐欺に注意する

インターネットは非常に便利なものですが、ネット詐欺の被害に遭うリスクも存在します。ネット詐欺に注意することは、安全にインターネットを利用するための重要なネチケットです。

ネット詐欺は、偽のウェブサイトやフィッシングメールなどを通して行われることが多いです。知らない相手からのリンクや添付ファイルを開かないようにしましょう。信頼できるサイトや企業の公式な連絡に偽装して、個人情報を入力させたり、不正なリンクを踏ませるような手口も横行しています。

また、インターネット上での取引やオファーには慎重にならなくてはいけません。「簡単に稼げる」「すぐに儲かる」といった一見魅力的なオファーには特に注意が必要です。信頼できるレビューや第三者の意見を確認し、リスクを十分に理解した上で判断しましょう。

魅力的な謳い文句で副業を勧める情報は、ネットに溢れています

⑧相手の意見を尊重する

インターネットを使ったコミュニケーションでは、対面でのやり取りと異なり、表情や声のトーンが伝わらないため、相手の意見を誤解しやすくなることがあります。しかし、その時こそ他者の意見を尊重することは非常に重要です。

まず第一に、異なる意見に対しても、否定的な態度をとらず、理解しようと努める姿勢が必要です。他者と意見が異なることは自然なことであり、その違いを通じて新たな視点や考え方を学ぶチャンスでもあります。

さらに、相手の意見に対して反論する場合でも、攻撃的な言葉遣いや感情的な表現は避け、建設的な意見交換を心掛けましょう。具体的な根拠を持って丁寧に説明することで、相手も自分の意見に耳を傾けやすくなります。

攻撃的な口調やケンカ腰では、意見や主張が正しく伝わりにくいのは感覚的にも理解できますね

⑨著作権・プライバシーに気を配る

インターネットは便利な情報源ですが、利用する際には著作権プライバシーに気を配らなくてはてはいけません。

他人が作成した文章、画像、音楽、動画などには著作権が発生し、無断で使用、転載、配布することは法律で禁止されています。インターネット上のコンテンツを利用する場合は、必ず著作権者の許可を得るか、引用の範囲内で使用し、出典を明示しましょう。

また、他人の個人情報やプライベートな写真、メッセージなどを無断で公開することは、プライバシー保護の観点から避けるべきです。他人の情報を取り扱う際は事前に確認を取り、相手のプライバシーを尊重するようにしましょう。

付け加えると、自分のプライバシーを守ることも忘れてはいけません。個人情報をネット上に公開する際には、その情報を公開して問題ないかをよく考え、不必要な情報を公開しないように注意してください。

人の情報や制作物の取り扱いには注意しましょう!

⑩誹謗中傷の禁止

他人に対して誹謗中傷を行わないことは、インターネットを利用する上で注意しなければいけないことの一つです。インターネットは匿名で利用できるため、他人に対して攻撃的になりやすい環境です。

しかし、匿名だからといって他人を誹謗中傷することは許されません。匿名性に依存せず、常に自分の発言に責任を持つことが必要です。

どんな理由があろうと言い訳にはなりませんからね!

⑪自分の行動に責任を持つ

インターネット上での行動は、現実世界と同じように責任が伴います。自分の行動に責任を持つことは、健全で安全なオンライン環境を保つための重要なネチケットです。

インターネット上での発言も現実の会話と同様に影響を及ぼします。むしろ不特定多数に見られている分、現実での発言よりも繊細にならなくてはなりません。コメントや投稿をする際には、内容が他人に与える影響を考慮しましょう。

下記のことに注意して、インターネットを活用しましょう。

  • 他人への誹謗中傷などの攻撃的なコメントや投稿をしない
  • 正しい著作権・プライバシー意識を持つ
  • 情報の真偽を見極める(誤情報を拡散しない、ネット詐欺に用心する など)
  • 認証情報を適切に管理する(サイバー攻撃などの被害の防止 など)

インターネットは便利な場所で、今や利用しない人はいないほどに普及しています。反面、使い方を間違えると大変なことになってしまいます。

【子どものネット利用者向け】守るべきネチケット5選

ネットを利用する子供のイメージ

インターネットが普及して、大人だけでなく子どものインターネット利用も増えています。SNS、ネットサーフィン、オンラインゲームなど便利な反面、危険は至る所に隠れています。

ここでは、特に子どもがインターネット利用する際に気をつけたいネチケットについてご紹介していきます。

①個人情報を簡単に教えない

インターネットを子どもたちに利用させる場合、個人情報の取り扱いには特に注意をするように指導しなくてはいけません。他人に個人情報を簡単に教えたり、無暗にネット上に公開しないように注意することは、子どもたちに安全にインターネットを利用してもらうために抑えておきたい基本的なルールです。

インターネット上で接する人すべてが善意の持ち主とは限りません。子どもたちには、知らない人や信頼できない相手に個人情報を教えないように指導しましょう。また、オンラインでの友達にも、必要以上の個人情報を共有しないように注意させることが大切です。

ネット上で出会う人は、現実で出会う人以上にどんな人か分からないものです。そして、世界にはいろんな人がいるということは忘れてはいけません

②見知らぬ人とは会わない

インターネットは、子どもたちにとって新たなコミュニティ発掘の場になることもありますが、安全に利用するためにいくつか守るべきポイントが存在します。中でも、ネット上で知り合った見知らぬ人と直接会うこと非常に危険な行為です。

子どもたちにネットを利用させる上で、見知らぬ人とは会わないように指導することは、ぜひ実施しておきたいリテラシー教育の一つで、万が一そのような提案を受けた場合は、必ず親や信頼できる大人に相談することを徹底させることが必要です。

ネット上だけでやり取りをしていた人と会って、思っていたような人ではなかったなんてことは、代表的なネット上のトラブルなので注意したいですね…

③嫌がらせに使わない・受けたら報告する

時にインターネットは、悪意を持って他人を傷つける手段として悪用されることがあります。子どもたちは、自らが嫌がらせに加担しないことを心がけ、もし受けた場合は速やかに保護者や身近な大人に報告することが大切です。

これらの嫌がらせは、その被害者だけでなく、加害者にも深刻な影響を与えることがあります。子どもたちには、他人を傷つける行為がどれほど深刻であるかを理解させ、自らが嫌がらせに加担しないように指導しましょう。

また、インターネットを悪用した嫌がらせは発見が難しいため、有事の際に頼ってもらえるような信頼関係づくりが重要だと言えるでしょう。

スマホ1つあれば、いつでもどこでもいじめ行為ができてしまうことがネットいじめの怖いところです…

④何かあったら保護者に相談する

ここまででも触れましたが、インターネットにはトラブルがつきもので、子どものインターネット利用なら尚更です。インターネット上で困ったことや不安なこと、判断に迷うことが起こった時には、すぐに保護者や信頼できる大人に相談することが大切です。

子どもたちには、インターネット上で嫌なことや怖いことがあった場合、ためらわずに保護者に話すように教えましょう。たとえ小さなことでも、自分だけで解決しようとせずに信頼できる大人に相談することで、早期に適切な対応ができます。

インターネット上でのトラブルや不快な体験を秘密にしないことも重要です。保護者は、いざという時に子どもたちに何でも話してもらえるような信頼関係を築くことを目指しましょう。子どもたちが安心して相談できる環境を整えることで、トラブルの予防や早期解決につながります。

子どものインターネット利用にはトラブルがつきものです

⑤ネットを利用する上での約束を守る

子どもたちが安全にインターネットを利用するためには、保護者がネットを利用する上での約束を作ることが重要です。子供たちがネットを利用する上での約束事の例を、下記に記しましたのでぜひ参考にしてみてください。

  • 個人情報を簡単に教えたり、公開しない
  • 見知らぬ人と会わない
  • 嫌がらせやネットいじめに加担しない
  • 違法性のあるコンテンツを利用しない
  • トラブルや不安なことがあれば、保護者や身近な大人に報告する

子供が安全にネットを利用するためには上記のような決まり事を設けることは非常に効果的です。親も子供のためにインターネットの危険性や子どものインターネット利用について学び、何かトラブルが起きても問題がないように備えておきましょう。

また、せっかくルールを設けても、守らないのでは意味がありません。子供になぜこのようなルールを守らなくてはいけないのかを説明し、一緒にルールを作り守っていきましょう。

なぜこのようなルールを設けるのか、子どもに理解してもらうことが大事なようですね!

守るべきネチケットのポイント

守るべきネチケットのイメージ

他者への配慮

他者への配慮は、コミュニケーションをとる上で欠かせない要素です。そして、それは現実のコミュニケーションに限った話ではなく、インターネットを介した場合でも同じことです。他者に攻撃的な態度をとったり、差別発言や誹謗中傷などは決してしないようにしましょう。

また、対面での会話と違って、ネット上でのコミュニケーションでは伝わりづらいニュアンスなども存在するので、相手の視点や感情を考えたコミュニケーションを心がけましょう。

SNSなどを見ていると、子どもにこうはなって欲しくないと思ってしまうような発言を平気でしている人が大勢いますよね…

情報の真偽判断

インターネットを利用する上で、情報の真偽判断を行うことは欠かすことができない重要な要素です。「嘘を嘘であると見抜けないと(掲示板・インターネットを使うのは)難しい」という言葉は有名ですが、インターネットには玉石混合の様々な情報が散在しており、有益な情報悪質な情報を判別することができなければ下記のようなことになりかねません。

  • 魅力的な謳い文句で被害者を引っかける、ネット詐欺に引っかかる
  • 誤情報・フェイクニュースを事実であると誤認してしまう
  • 誤情報・フェイクニュースを拡散してしまう

情報の真偽判断を行うことは、これらの事態を避けるために欠かすことの出来ないスキルであるといえます。

人間は信じたいものを信じる性質があり、自分の願望や経験、思い込み、他者の意見などによって、知らず知らずのうちに偏った判断をしてしまう生き物です

著作権やプライバシーの意識

インターネット上では、他人の著作物やコンテンツを簡単にアクセスすることができますが、それらを無断で使用することは著作権侵害などにあたる場合があります。適法にコンテンツを利用するためには、出典を明確にしたり、必要な許可を得たりすることが必要になります。

また、写真や個人情報を投稿する際には、誰が閲覧できるかを考慮し、プライバシーを保護するための対策を講じましょう。他人の個人情報や写真を公開する場合は、必ず事前に確認するようにしましょう。

SNSなどを利用していると、イラストアイコンや漫画の無断転載などが横行しており、それが悪いことだという意識が曖昧になりがちです!

まとめ

この記事でご紹介したネチケットを守れば、見知らぬ人とのネット上でのコミュニケーション、会社や学校の人とのネットを介したコミュニケーションにおける問題を大幅に減らすことができるでしょう。

特に子どもの場合、ネットが取り巻く世界に生まれた以上、ネット上でのマナーや振る舞いを早い段階で身につけることは、もはや必須といえます。

ぜひネチケットを実践して、安心安全なインターネット利用を目指しましょう。

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