この記事では、基本情報技術者試験について、2024年2月時点の概要や出題範囲、勉強法等をまとめます。新たに試験範囲に追加されることになった「DX」についてもご紹介しますので、受験を検討されている方は是非最後までご覧ください!
基本情報技術者試験とは
基本情報技術者試験は、情報技術に関する基本的な知識やスキルを評価する日本の国家試験です。CBT試験(コンピュータを使用して行う試験)で受験する事ができます。令和5年度の受験者数は80000人以上となっており、ITエンジニアが登竜門として取得を考慮するべき資格となっています。
この資格は、情報技術に関する基礎知識を持つことを証明するもので、企業への就職やキャリアアップの際に有益な資格とされています!
基本情報技術者試験の概要
基本情報技術者試験は情報処理技術者試験の一つとなります。情報処理技術者試験は、情報処理技術者としての「知識・技能」が一定以上の水準であることを認定する日本の国家試験です。試験の主催はIPA(独立行政法人情報処理推進機構)です。最新の情報はIPAの公式サイトで確認するのが良いでしょう。
基本情報技術者試験のレベルは、共通キャリア・スキルフレームワークのレベル 2 に相当し、IT を活用した戦略の立案、システムの企画・要件定義,設計・開発・運用に関して、担当する活動に応じて上位者の指導の下に行動できる知識や技能が要求されます。試験の概要や要綱についての詳細な内容はIPAの公式サイトで公開されています。
https://www.ipa.go.jp/shiken/syllabus/t6hhco0000004yy7-att/youkou_ver5_2.pdf
基本情報処理技術者試験は、上級資格である「応用情報技術者試験」や、さらに高度な資格を目指す際の基盤にもなります。
基本情報技術者試験の出題範囲
基本情報技術者試験は科目Aと科目Bに分かれて試験が実施されます。
科目Aは試験時間90分、出題数60問(評価は54問で残り6問は今後出題する問題の評価の為に使われます)、出題形式は四択問題となります。出題範囲は、テクノロジ系(基礎理論やプログラミング、ネットワーク、データベース、セキュリティの基礎)、マネジメント系、ストラテジ系(システム戦略や法務)について、幅広く出題されます。
科目Bは試験時間100分、出題数20問(評価は19問で残り1問は今後出題する問題の評価の為に使われます)、出題形式は多肢選択式(長文を読んで答える形式)となります。出題範囲は、アルゴリズムとプログラミング分野16問、情報セキュリティ分野4問となります。
科目A終了後、最長で10分の休憩を取得した後、科目Bの試験を行う事が出来ます。
詳細な内容についてはIPAの公式サイトで公開されています。
https://www.ipa.go.jp/shiken/syllabus/nq6ept00000014d9-att/syllabus_fe_ver9_0.pdf
基本情報技術者試験は試験範囲が広いので、きっちり勉強して試験を受けましょう。
基本情報技術者試験の対策方法
基本情報技術者試験では過去に出題された問題の再出題が行われますので、基本的な内容を理解した上で、過去問題を繰り返し解く事で対策を行うのが効果的です。アルゴリズムやプログラミング、データベースなどの技術については、実際に操作を行った方が覚えるという人は、操作を行ってみるのも良いでしょう。
問題の傾向やパターンもあるので、過去問を解くことは重要!過去問を解いて、本番の試験に余裕を持って臨もう。
基本情報技術者試験の勉強法
例えば以下のように勉強を進めると効率的です。
1.現在のレベル確認
まずは、上述の基本情報技術者試験の概要や試験範囲について、出来れば公式のサイトも熟読して理解します。その後、公式のサンプル問題を用いて、問題の傾向と自分の現在の知識レベルを確認します。サンプル問題は試験範囲の分野ごとに順番に問題が出題されますので、自分が得意な分野と苦手な分野を把握するのに適しています。
公式のサンプル問題
https://www.ipa.go.jp/shiken/syllabus/henkou/2022/gmcbt80000007cfs-att/fe_kamoku_a_set_sample_qs.pdf
https://www.ipa.go.jp/shiken/syllabus/henkou/2022/gmcbt80000007cfs-att/fe_kamoku_b_set_sample_qs.pdf
2.学習計画
サンプル問題を行い、現在の自分のレベルがわかったら、受験日を決めましょう。受験日を決めずに漠然と学習を続けるのは効率が良くありません。あまりにも学習の進捗が悪いようでしたら、その後で計画を変更する事も仕方ありませんので、まずは最初に受験日を自分で設定しましょう。
個人差はありますが、一例としては、サンプル問題の結果、合格点(60%)に近い点数が取れるようであれば1ヶ月程度、全くわからないようであれば最長でも半年程度を目安にするのが良いです。半年以上の長期的な計画を立てると、途中で続かなくなる人が多いです。
3.過去問題を中心とした学習
試験日を決めたら、過去問題を中心として学習を進め、不明点については参考書を見て復習する形で進めます。ただ、過去問題を見ても全くわからない分野が多い場合は、1月ほどかけて、最初に参考書を一度熟読してからの方が良いでしょう。科目Bについては過去問題があまりないので、サンプル問題や参考書の予想問題を行い、長文を読解する事に慣れていきましょう。
資格試験の学習計画を立てる際には、受験予定日を決めてしまうのがオススメです。長期的の計画は上手くいかないことが多いので注意!
基本情報技術者試験の過去問対策
基本情報技術者試験の過去問題については、あまり古い問題は古い情報となり価値が低くなりますので、直近10年分位を中心に行うのが良いです。試験対策サイトや公式サイトで公開されている問題を繰り返し行いましょう。
基本情報技術者試験の対策サイト例
また、基本情報技術者試験では、指定された講座を受講し、修了問題に合格すると科目A試験が免除される制度(科目A試験免除制度)があります。過去に出題された修了問題は公開されていますので、実際の試験の過去問題と同様に活用しましょう。
https://www.ipa.go.jp/shiken/about/gmcbt800000077l9-att/tokurei_Mondai_20240128_FE.pdf
https://www.ipa.go.jp/shiken/about/gmcbt800000077l9-att/tokurei_ans_20240128_FE.pdf
あまり古い過去問は試験範囲が変わっていたりするので注意!
基本情報技術者試験の参考書
過去問題をやってみて苦手な分野は参考書で復習しましょう。基本的な知識が不足している場合は、最初に一度目を通しましょう。
予想問題集は、特に過去問題の情報が少ない科目Bについて重点的に行いましょう。
基礎知識が不足している人は参考書から、ある程度知識がある人は過去問を見て、試験の感覚をつかみましょう!
基本情報技術者試験の研修講座
前述のように、基本情報技術者試験では科目A試験免除制度が実施されています。IPAに認定された講座を受講し、修了試験に合格する(修了認定の基準を満たす)ことによって、基本情報技術者試験の科目A試験が免除される制度です。
自分にあった方法で資格取得を目指しましょう!
DXエンジニア
DXエンジニアとは、DX開発に関わるエンジニアの総称です。DXとは、デジタルトランスフォーメーションの略で、企業が第3のプラットフォーム(クラウド、ソーシャル技術)を利用して、新しい製品やサービス、ビジネスモデルを通して、顧客エクスペリエンスの変革を図ることで価値を創出し、競争上の優位性を確立することです。近年のエンジニアは目の前のプログラムを組んだりインフラを構築するだけでなく、こうした外部のプラットフォームを駆使する事を求められる場面も増えていますが、そうした事に精通したエンジニアがDXエンジニアと呼ばれます。各種情報処理技術者試験でも、そうした近年の事情を踏まえてか、令和6年度秋の改定で、DXが試験範囲に含む事が告知されています。基本情報技術者試験でもDXについて試験範囲が拡張される事が告知されています。
総務省のDX(デジタル・トランスフォーメーション)の特集ページ
情報処理技術者試験の令和6年秋の改定について
新しい試験範囲は「DXについて」!令和6年度秋からの改定なので、対象者は要チェックです。
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