
サイバーセキュリティのスキルを実践的に学びたいけど、何から始めればいいかわからない…。そんな悩みを抱える学習者にとって、Hack The Boxは最高の学習プラットフォームの一つです。
この記事では、サイバーセキュリティの初学者がHack The Boxを使って、CTF(Capture The Flag)形式で楽しくスキルアップしていくための方法を、登録手順から具体的な学習ステップまで、スクリーンショットやコマンドを交えながら詳しく解説します。
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Hack The Boxとは?

Hack The Boxは、ペネトレーションテスト(侵入テスト)のスキルを実践的に学べるオンラインプラットフォームです。世界中のセキュリティ学習者や専門家が利用しており、仮想的に構築された脆弱性のあるマシン(サーバー)に対して、実際にハッキング技術を試しながらスキルを磨くことができます。
マシンには「フラグ」と呼ばれる証拠ファイルが隠されており、これを見つけ出して提出することでポイントを獲得できます。このゲーム感覚で取り組める学習スタイルが、CTF(Capture The Flag)の魅力です。
Hack The Boxを使った学習のメリット
リアルな環境で実践的なスキルが身につく
Hack The Boxのマシンは、現実世界で起こりうる脆弱性を元に作られています。ドキュメントを読むだけの学習とは異なり、実際に手を動かして攻撃を成功させることで、ツールの使い方や攻撃手法、思考プロセスといった生きたスキルが身につきます。
ゲーミフィケーション要素で楽しく学べる
ポイントを獲得してランキングを競ったり、クリアしたマシンの数でバッジがもらえたりと、ゲームのように楽しめる要素が満載です。モチベーションを維持しやすく、挫折しにくいのが大きなメリットです。
世界中のハッカーと交流できるコミュニティ
Hack The Boxには公式のDiscordサーバーやフォーラムがあり、世界中のユーザーと交流できます。行き詰まったときにヒントを求めたり、新しい攻撃手法について議論したりと、コミュニティを通じてさらなるスキルアップが期待できます。
Hack The Boxの始め方:登録からVPN接続まで徹底解説
ここからは、実際にHack The Boxを始めるための具体的な手順を解説します。専門用語も出てきますが、一つ一つ丁寧に説明するので安心してください。
Step 1: 公式サイトへアクセスしアカウントを作成
まずはHack The Box公式サイトにアクセスし、アカウントを作成します。右上の三本線のボタンをクリック。
次に「Login」ボタンをクリック。

Emailを入力するか、Googleアカウント連携で、アカウントを作成します。
Step 2: メール認証
登録したメールアドレスに認証メールが届きます。メール内のリンクをクリックして、アカウントを有効化してください。
その後入力して、ログイン。
Step 3: OpenVPNで接続ファイルのダウンロード
Hack The Boxのマシンにアクセスするには、VPN(Virtual Private Network)で専用のネットワークに接続する必要があります。
以下は、Starting Pointでの例

「DOWNLOAD VPN 」ボタンをクリックして、設定ファイル(.ovpn
ファイル)をダウンロードします。
Step 4: Kali LinuxでVPN接続
ダウンロードした.ovpn
ファイルを使って、VPNに接続します。ここでは、多くのペネトレーションテスターが利用するKali Linuxでの接続方法を解説します。
ターミナル(端末)を開き、ダウンロードしたファイルがあるディレクトリに移動して、以下のコマンドを実行します。
sudo openvpn [ダウンロードしたファイル名].ovpn
Initialization Sequence Completed
と表示されれば、VPN接続は成功です!これで、Hack The Boxのマシンに攻撃する準備が整いました。
Hack The Boxを使ったマシンの攻略 6つのステップ
VPNに接続できたら、いよいよマシン攻略に挑戦です。ここでは、一般的なマシンの攻略ステップを紹介します。
Step 1: 攻略するマシンを選ぶ
まずは攻略対象のマシンを選びます。初心者は「Starting Point」から始めるのがおすすめです。ここでは、ハッキングの基本的な流れをチュートリアルのように学べます。

Step 2: ポートスキャンと情報収集 (Nmap)
マシンを攻略するには、まず相手を知ることから始めます。Nmapというツールを使ってポートスキャンを行い、どのポート(サービスの入り口)が開いていて、どんなサービスが動いているのかを調査します。
nmap -sV -sC [マシンのIPアドレス]
-sV
: ポートで稼働しているサービスのバージョン情報を調査-sC
: デフォルトのスクリプトを実行し、基本的な脆弱性を調査
この結果から、攻撃の糸口を探します。
Step 3: 脆弱性の調査と特定
Nmapの結果で明らかになったサービスやそのバージョン情報を元に、利用可能な脆弱性がないかを探します。Googleで「(サービス名) (バージョン) exploit」のように検索したり、Searchsploitというツールを使ったりして、既知の脆弱性を調査します。
Step 4: 侵入(Exploit)とUserフラグの獲得
脆弱性を見つけたら、それを利用してマシンに侵入(Exploit)します。成功すると、一般ユーザー(user)権限のシェルを奪取できます。
シェルを奪取したら、user.txt
という名前のファイルを探し、中身を確認します。これが一つ目のフラグです。
Step 5: 権限昇格とRootフラグの獲得
次に、一般ユーザーから管理者(root)権限へ昇格することを目指します。OSのカーネルの脆弱性を突いたり、設定不備のあるプログラムを悪用したりと、様々な手法があります。
root権限を奪取できたら、root.txt
を探して二つ目のフラグを獲得します。
Step 6: フラグの提出
獲得したフラグをHack The Boxのサイトで提出すれば、マシン攻略完了です。お疲れ様でした!
挫折しないための学習継続のコツ
Hack The Boxは非常に面白いプラットフォームですが、難易度が高く、挫折してしまう人が多いのも事実です。ここでは、学習を継続するためのコツを2つ紹介します。
1. Writeup(攻略記事)を積極的に読む
どうしてもわからない時は、Writeupと呼ばれる他のユーザーが書いた攻略記事を参考にしましょう。ただし、すぐに答えを見るのではなく、「ヒントだけ見る」「最初の侵入方法だけ確認する」など、自分なりのルールを決めて活用するのがおすすめです。完全に攻略した後、自分の手順と比較して復習するのも非常に効果的です。
2. 「楽しむ」ことを忘れない
一番大切なのは、楽しむことです。解けない問題に何時間も向き合うのは辛いものですが、それもハッキングのリアルな一部です。行き詰まったら一度離れて別のマシンに挑戦したり、コミュニティで雑談したりするのも良いでしょう。「やらなければならない」という義務感ではなく、「もっと知りたい」という知的好奇心を大切にしてください。
有償アカウント(VIP/VIP+)でできること
無料プランでも十分に楽しめますが、有料プランにアップグレードすると、さらに学習の幅が広がります。
- Retiredマシンへのアクセス: 公開停止になった過去のマシン(Retiredマシン)に無制限にアクセスできます。膨大な数のマシンで学習が可能です。
- 公式Writeup(PDF): Retiredマシンの公式解説PDFを閲覧できます。
- 専用サーバー: 他のユーザーの影響を受けない専用のサーバーで、快適にマシン攻略に集中できます。
本格的に学習したい場合は検討してみる価値があります。
使用上の注意点
Hack The Boxを利用する上で、必ず守らなければならないルールがあります。
- 許可された環境以外への攻撃は厳禁: Hack The BoxのVPNネットワーク内での活動のみが許可されています。他のユーザーや、Hack The Boxのインフラ自体への攻撃は絶対に行ってはいけません。
- ActiveマシンのネタバレはNG: 現在攻略可能なマシン(Activeマシン)の解法やヒントを、公開の場で話すことは禁止されています。
これらのルールを破ると、アカウント停止などの厳しい措置が取られる可能性があります。節度を守って利用しましょう。
まとめ:Hack The Boxでハッキングの世界に飛び込もう!
Hack The Boxは、サイバーセキュリティのスキルを実践的に、そして楽しく向上させるための最高の環境です。最初は難しく感じるかもしれませんが、一つ一つのマシンをクリアしていく達成感は格別です。
この記事を参考に、ぜひHack The Boxの世界に飛び込んで、未来のホワイトハッカーへの第一歩を踏み出してください!
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