【プログラミング学習者の壁】オブジェクト指向とは?簡単に解説!

初心者にも分かりやすく解説「オブジェクト指向とは?」

オブジェクト思考とは何かを初心者にも分かりやすく解説する記事です。
基本概要、活用メリット・デメリット、クラスとの関係、オブジェクト指向の主要な言語、初心者が躓きやすい理由などについて分かりやすく解説します。
プログラミング学習者は必見の記事です。

私と一緒にオブジェクト指向について学んでいきましょう。

オブジェクト指向とは

オブジェクト指向とは

オブジェクト指向ってよく聞くけど、何?

と疑問に思う人は少なくありません。

実際に調べてみたり先輩や講師に質問してみたけど、よく分からなかったという人も多いはずです。

今回はそんな人たちのためにオブジェクト指向を分かりやすく解説します。

※話を簡単にするため、インスタンスとオブジェクトの違いには言及していません。すべてオブジェクトとして話を進めています。

オブジェクト指向・オブジェクト指向言語とは

オブジェクト指向は、開発手法の一つ

オブジェクト指向とは、プログラミングの世界において物事を考える方法の一つです。
この考え方では、すべてのデータや処理を「オブジェクト」として扱います。

例えば、ゲーム内のキャラクターやアイテム、SNSの投稿やユーザーなど、私たちの周りにあるものはすべてオブジェクトとしてプログラム内で表現されます。

オブジェクト例

オブジェクト指向言語とは、このオブジェクト指向の考え方を基にして作られたプログラミング言語のことです。

JavaやPython、C++、Rubyなどが有名で、これらの言語では、オブジェクトを作ったり、操作したりすることが中心となります。

ちなみに、オブジェクト指向以外の開発手法には以下のようなものがあります。

  • 手続き型プログラミング言語: C言語,Fortranなど
  • 関数型プログラミング言語: Haskell,Erlangなど

オブジェクト指向は便利な考え方だから、後々になって取り入れたという言語も多いんだ!

オブジェクト指向の特徴

オブジェクト指向は、「もの」に着目したプログラミング手法

オブジェクト指向の最大の特徴は、現実世界の事物や概念を「もの(オブジェクト)」としてプログラム上で扱えることです。

これにより、プログラムをより理解しやすく、そして人間が考える方法に近い形で書くことができます。

また、オブジェクトはそれぞれ「情報」と「振る舞い」を持ちます。
例えばあなたが猫の「たま」を飼っているとしましょう。
タマは「名前」や「年齢」といった情報と、「食べる」「寝る」「遊ぶ」といった振る舞いをします。だからプログラム内でもそれらを1つのオブジェクトとしてまとめて定義します。

「情報」と「振る舞い」をまとめて1つの「もの」として扱うんだ。

オブジェクト指向のメリット

オブジェクト指向には多くのメリットがあります。

  • 再利用性が高まる
  • プログラムの管理と修正がしやすい(保守性があがる)
  • 現実世界の事物を直感的に表現できる

一つは、プログラムの再利用性が高まることです。

一度作ったオブジェクトは、違うプログラムでも使うことができます。

みなさんがバット職人だったとしましょう。かなりの研究を繰り返し、じっくりと丹念に磨き上げた結果、今までで最高のバットを作り上げることに成功しました。

野球のバット画像

この時、「このバットがもう一本あればな・・・」と思うわけです。

オブジェクト指向であれば、簡単にそのバットをコピーして作り出し、ほかの場所で利用したり、更にアレンジすることだってできます。

また、オブジェクト指向であれば、プログラムが複雑になっても、オブジェクトごとに分けて考えることができるので、管理や修正がしやすくなります。

現代では想像しにくいですが、コンピューターができてから、ずっと多くのプログラマーの頭をずっと悩ませていたことがあります。

それは、何千、何万行ものプログラムを管理するのが難しいということです。(右はイメージ)

しかし、オブジェクト指向であれば、オブジェクト単位でプログラムを管理できるため、非常に楽に管理、修正ができるのです!(右はイメージ)

さらに、オブジェクト指向は現実世界の事物を模写して表現できるので、プログラムの設計が直感的に行えるようになります。

そう聞いたら、オブジェクト指向を使うしかないね!

オブジェクト指向のデメリット

しかし、もちろんオブジェクト指向にもデメリットはあります。

  • 抽象的な概念が多く、学習するのに時間がかかる
  • 実行速度が遅くなる可能性がある

まず、オブジェクト指向の考え方を学ぶのに時間がかかることが挙げられます。

初心者にとっては、オブジェクトやクラス、継承などの概念が難しく感じることがあります。

また、オブジェクト指向のプログラムは、非オブジェクト指向のプログラムに比べて実行速度が遅くなる場合があります。

これは、オブジェクト間でのデータのやり取りが多くなるためです。

しかし、この点については、現代では通信速度や実行速度が以前よりも格段に速くなっているため、以前ほど気にする必要はありません。

メリットとデメリットを理解し、適切な場面で活用することが大切です。

オブジェクト指向とクラス

オブジェクト指向とクラス

オブジェクト指向プログラミングにおいて、「クラス」という概念は非常に重要です。

クラスとは、オブジェクトを作るための設計図のようなもの

クラスとは、オブジェクトを作るための設計図のようなものです。

例えば、「猫」というクラス(設計図)があったとします。

このクラスには、猫が持つ一般的な情報(名前、年齢など)や振る舞い(鳴く、走るなど)が定義されています。

そして、このクラスから具体的な猫のオブジェクト(例えば、「たま」など)を作り出すことができます。

つまり、クラスはオブジェクトの抽象的な定義であり、オブジェクトはそのクラスの具体的な実例というわけです。

クラス(設計図)  →  オブジェクト(実体)

クラスとオブジェクトのイメージ画像

設計図(クラス)があると、同じ種類のオブジェクトを簡単に大量に作ることができます

また、クラスはオブジェクトの情報や振る舞いをまとめて管理することを可能にし、プログラム全体の整理と再利用性を高める助けになります。

クラスによってオブジェクトを大量生産できる。
そうすると再利用できて便利。
クラスによって「情報」と「振る舞い」を一つにまとめて管理できる。
そうすると「整理されて管理しやすくなる」んだね。

オブジェクト指向の3大要素

  • カプセル化
  • 継承
  • 多態性(ポリモーフィズム)

オブジェクト指向プログラミングの核となる3つの概念について解説します。

少し具体的な話になるから、難しいと思ったら読み飛ばしてもいいぞ!

カプセル化

カプセル化

カプセル化とは、オブジェクトの詳細な情報を隠蔽し、必要な情報のみを外部に公開することです。

これにより、オブジェクトの内部実装を変更しても、そのオブジェクトを使用する他の部分には影響を与えないようにします。

カプセル化は、プログラムの安全性を高め、複雑さを管理しやすくするために重要です。

と言ってもなかなか理解できないかもしれません。。。

イメージしやすいようにカプセル化を薬で例えます。

ある日、みなさんは風邪をひいて病院に行きました。

お医者さんから「安心してください。この薬を飲んで寝てたらそのうち治りますよ。」と言ってもらえました。

これ、実はカプセル化による情報隠蔽のメリットだと言えます。

みなさんは、自分自身の体に薬を取り込むにもかかわらず、具体的な効能を知りません。

知る必要はないのです。知ったところでたぶん理解できません。。

もしお医者さんが詳細な情報として、

知識のない人からは理解できない医者の説明1

と言っても理解できないし、「具体的なことはいいから、必要な情報(飲めば治る)のみ言ってよ・・・」と思うはずです。

病院の待ち時間も大変なことに・・・。

時として、どのような手順で、どのような作用が働いているかは隠蔽されていると、扱うのが楽なんですね。

また、医学が進歩して、風邪薬の成分が変更された際も、私たちはその変更を知る必要はありません。

仮に説明されても、

知識のない人からは理解できない医者の説明2

「風邪で辛いときに難しい説明しないで・・・」となるかもしれませんね。

以上がカプセル化です。

カプセル化とは、オブジェクトの詳細な情報を隠蔽し、必要な情報のみを外部に公開することです。

これにより、オブジェクトの内部実装を変更しても、そのオブジェクトを使用する他の部分には影響を与えないようにします。

カプセル化は、プログラムの安全性を高め、複雑さを管理しやすくするために重要です。

会社でよくある風景として、営業さんが事務職員さんに「これ経費として出しといて!」とレシートを渡したら、経費処理してくれて、営業さん自身が具体的な処理方法を知らない&面倒な手続きをしなくていいことに似てるね。

継承

継承は、あるクラス(親クラス)の属性や振る舞いを別のクラス(子クラス)が引き継ぐことを可能にします。

これにより、既存のクラスを基にして、新しいクラスを簡単に作成することができます。

例えば、「動物」を表すクラスがあり、その特性(食べる、眠るなど)を持つとします。

この「動物」クラスを継承して、「猫」クラスを作成すれば、猫固有の特性(鳴く、毛繕いをするなど)を加えることができます。

継承を利用することで、コードの再利用性が高まり、プログラムの構造が明確になります。

クレジットカードなどの「一般会員」と「特別会員」の関係に似てるね。
一般会員にできることに加えて、特別会員にだけ独自に付与される特典も利用できるんだ。

多態性(ポリモーフィズム)

多態性(ポリモーフィズム)は、同一の命令に対して、オブジェクトによって異なる振る舞いをする能力を指します。

例えば、異なる動物クラス(猫、犬、鳥など)が同じ「鳴く」メソッドを持っていても、猫なら「ニャー」、犬なら「ワン」とそれぞれ異なる音を出すことができます。

これにより、プログラムは様々なオブジェクトを一つの命令で扱うことができ、柔軟性と再利用性が高まります。

と言ってもなかなか理解できないかもしれません。。。

例えば、あなたはとあるクラスの担任です。

クラスには30人ほど生徒がいます。

早めに学校の授業が終わったので、全員にこう言いました。

「それでは寄り道せずに、下校しましょう!」

それを聞いた30人の生徒は各々自分の家まで帰ります。

これって実はすごいことなのです。なぜなら、担任のあなたは、30人全員の具体的な経路や下校方法を考えなくてもいいからです。

「Aさんは、まず〇〇駅から△△駅まで行って、そのあと自転車でまっすぐ5分ほど・・・」
「Bさんは、自転車で〇〇交差点まで直進、そのあと右に曲がって・・・」

これを30人分考えて、指示するのは大変です。

しかし、多態性の利用によって、一つの「下校しましょう」という命令によって各自が判断し、異なる処理を行いました。

このように、まとめて扱いたいときに便利なのが、多態性なのです。

オブジェクト指向の3大要素、カプセル化、継承、多態性は、プログラミングをより効率的で理解しやすくするための強力なツールです。

これらをうまく活用することで、プログラムの品質を高め、開発プロセスをスムーズに進めることができます。

まあ、便利なことは分かったよ。

オブジェクト指向の主要な言語

  • Java
  • Python
  • C++
  • Ruby

オブジェクト指向プログラミング(OOP)は多くのプログラミング言語で採用されていますが、ここでは特に注目されている4つの言語、Java、Python、C++、そしてRubyについて解説します。

一つずつ確認していこう!

Java

Javaは、オブジェクト指向プログラミングをサポートする言語として広く利用されています。

Javaの強力な特徴の一つは、プラットフォームに依存しないことです。

つまり、一度書いたプログラムはWindowsだろうがMacだろうがLinuxだろうが動かすことができます。「Write Once, Run Anywhere(一度書けばどこでも動く)」というスローガンがこれを表しています。

Javaは、Webアプリケーション、モバイルアプリケーション、大規模システムの開発に広く使われています。

Python

Pythonは、その読みやすさとシンプルさで知られているプログラミング言語です。

オブジェクト指向の概念をサポートしており、初心者にも理解しやすい言語の一つです。

Pythonは、Web開発、データ分析、人工知能(AI)など様々な分野で使われています。

また、豊富なライブラリが用意されており、開発者が必要とする機能を簡単に追加できます。

C++

C++は、システムやアプリケーションの開発に適した高性能なプログラミング言語です。

オブジェクト指向の概念を取り入れることで、C言語の強力な機能性と併せて、コードの再利用性とメンテナンスの容易さを実現しています。

C++は、オペレーティングシステム、ゲーム開発、組み込みシステムなど、要求の厳しい環境での使用に適しています。

Ruby

Rubyは、シンプルで理解しやすい構文を持つオブジェクト指向言語です。

Rubyは「プログラミングの楽しさ」を重視しており、開発者が直感的にコードを書けるように設計されています。

特にWeb開発のフレームワークであるRuby on Railsのおかげで、RubyはWebアプリケーションの開発において人気があります。

初心者にとってオブジェクト指向が難しい理由

初心者にとってオブジェクト指向が難しい理由

オブジェクト指向が初心者にとって難しいと感じられる主な理由は以下の通りです。

  • 抽象的な概念の理解が必要
  • クラスやオブジェクト間の関係の設計が複雑
  • 思考方法の根本的な変化(※もともと別言語でプログラミングしていた人の場合)
  • 抽象的な概念
    オブジェクト指向は、クラスやオブジェクト、継承などの抽象的な概念を多用します。これらの概念を理解し、実際のプログラミングに適用することは、初心者にとっては少し難しいかもしれません。
  • 設計の複雑さ
    オブジェクト指向プログラミングでは、効果的なプログラムを設計するためには、適切なクラスの階層や関係を考える必要があります。この設計過程は、経験や深い理解を要するため、初心者がつまずきやすいポイントです。
  • 思考方法の変化
    手続き型プログラミングからオブジェクト指向プログラミングへの移行は、思考方法を根本的に変える必要があります。オブジェクトとしてのデータの扱い方や、プログラムの構造化の仕方を学ぶことは、初めは難しいかもしれません。

オブジェクト指向プログラミングは多くのメリットがありますが、その強力な機能を最大限に活用するためには、基本的な概念の理解と適切な設計スキルが必要です。

しかし、これらのスキルは時間と経験を通じて身につけることができますので、挑戦し続けることが重要です。

時間をかけてでもじっくり慣れていくしかないな。

まとめ

オブジェクト指向は、開発手法の一つであり、「もの」に着目したプログラミング手法です。

オブジェクト指向プログラミングでは、現実世界の事物をオブジェクトとしてコード内で表現します。

この方法は、プログラムの再利用性を高め、管理や修正をしやすくするなど多くのメリットがあります。

しかし、オブジェクト指向を学ぶには、クラス、継承、カプセル化、多態性など、抽象的な概念を理解する必要があり、初心者にとっては難しい面があります。

主要なオブジェクト指向言語には、Java、Python、C++、Rubyなどがあり、それぞれに合う用途や開発環境を考慮して選ぶ必要があります。

オブジェクト指向プログラミングを学ぶことは、確かに最初は難しいかもしれませんが、より効率的で読みやすいコードを書く能力を養い、プログラミングスキルを大きく向上させることにつながります。

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